「空間のアイデアも自由度も広がる　台形の変わった間取りを味方に」

LDKとひとつながりになるよう、玄関へ続く引き戸は腰高のガラスドアに。階段の下にはルンバの基地も

暮らしのおへそとなる造作キッチン。吹き抜けの窓が光をやさしく招き入れ、静かで安心感のある雰囲気が漂う

玄関にも収納をたっぷり造り付け、すっきりとした印象に

土地の形に合わせた造作のダイニングテーブル。アンティーク調の照明が、空間をやわらかく照らす

外観はネイビーのガルバリウムをメインに。屋根に太陽光パネルを載せたZEHの家だ

天井を走る木の質感と高い吹き抜けのおかげで、空間に広がりが生まれる

斜めを活かした洗面スペースにはアイロン台を造作するなど、家事がはかどるよう考え抜かれている

 

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Story この家の物語

深みのある木の質感と色。そのあたたかみを黒とネイビー、そしてゴールドの建具や小物がピリッと引き締めているからだろうか。実にムダなく簡潔な佇まいに、思わず｢かっこいい｣というつぶやきの声が漏れてしまいそう。けれど、冷たいよそよそしさは感じない。それは、ＬＤＫをダイナミックに彩る階段のおかげだ。直線的な壁や天井に対し、曲線が美しい螺旋階段をレイアウトすることで、空間に動きが生まれる。階段のステップに腰かけて、家族団らんの様子を眺めるという新たな楽しみもできた。

また、階段によって空間が分断される心配もない。光や風がゆるやかに満ち、どこにいても家族の気配を感じることができる。｢ここに立つと、リビングや玄関、子ども部屋など、家中を見渡せるのがいい｣と奥さまが話す場所は、アイランドキッチン。奥さまの身長に合わせた〈ムラヤマ〉お得意の造作で、同じく造作のダイニングテーブルを置いて、ひと続きに。このテーブルが台形なのは、この家が建つ土地の形状とお揃いにしたから。一般的にいびつな地形というのは、家づくりに不利な条件かもしれない。けれど、それを逆手にとって遊び心をプラスした。

玄関の上に２階の子ども部屋を斜めに乗せることで、宙に浮いているようなユニークな外観となり、雨の日でも濡れずに家の中に入ることができる。オンリーワンのその個性は、Ｋさん一家だけの特別なものだ。

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